病気の診断を行ううえで大切な既往歴

今日に至るまでにかかった病気やケガの履歴のことを既往歴といいます。言葉自体は病院の問診表などで目にするため、馴染みはあるものの、既往的の意味を正確に理解している人はそれほど多くありません。

病気の診断や治療法の選択、薬の処方などを行ううえで、既往歴は大切な情報となるため、思い出すのが面倒だからとか、記入するのが恥ずかしい病名とかで省略する人もなかにはいるようです。

風邪などの軽い病気は含まれませんが、がんや脳卒中、心筋梗塞などの大きな病気以外にも、多くの人が軽かったと感じている中枢炎と言った病気も既往歴には含まれます。

その他、交通事故や輸血の経験、薬の副作用やアレルギー、妊娠・出産の有無といった情報もきちんと伝える必要があります。

プライマリケア医はかかりつけのお医者さん

特定の病気だけを診る専門医による医療に対して、普段から患者の健康状態や持病などを把握している医師が患者を総合的に診断する医療のことをプライマリケアと言います。

プライマリケア医は一般的にかかりつけ医と呼ばれることの方が多く、患者の状態や既往歴にも通じ、風邪、頭痛をはじめ、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病、腰痛や膝の痛みなど、患者の抱えるさまざまな問題に広く対応します。

かかりつけ医は、これらにくわえて地域住民の健康管理や在宅ケアなどの役目も担っていますが、より専門的な医療が必要だと判断した場合には、適切な専門医へ患者を紹介します。

近年、専門医療を行う地域医療支援病院や特定機能病院といった大きな病院と、プライマリケアを行う診療所との連携に注目が集まっています。大きな病院の窓口に「紹介状が必要です」とあるのはそのためです。

英語のプライマリには初歩的という意味があるため、臨床研修を終えたばかりの新人医師による診療と勘違いされるケースもありますが、そうではありません。

特定の分野で優れた専門性を持ち、学会が認定を行う専門医

国家試験に合格し医師免許を取得した医師は、検収指定病院において2年間の臨床研修を行います。その後、それぞれ進んだ分野で専門性を磨き、それぞれの学会が実施する審査や試験などを受け、学会認定専門医(専門医)になります。

例えば、胃腸を専門とする消火器外科の場合、5年以上450例以上の診療経験などの一定の基準をクリアすると受験でき、日本消化器外科学会から認定を受けると消化器外科専門医と名乗ることができます。

基準は各学会によって異なりますが、専門医の資格は5年に一度更新されます。どの分野にどのような専門医がいるかを調べるには日本専門医制評価・認定機構のホームページを参考にするといいでしょう。